京都御池「フロマージュ・ド・ミテス」

MOF熟成士のチーズ

烏丸通りを北上し御池通りを西に折れて衣棚通りから押小路通りを上がると、さりげなくフロマジュリー(チーズ屋)「フロマージュ・ド・ミテス」はある。

通りに面した ガラス張りのドアから店内が見通せる。

以前は四条烏丸の裏通りにあって、昔ながらの町屋の風情がそれはそれでよかったのだが、移転してフロマジュリーの装いとなった。

フランスには数多の村があり、その村ごとに違う種類のチーズがあると言われる。

小さな村の、その村にしかないオリジナルのチーズ。

当然、その生産量の小ささのために、その村かその周囲で消費されてしまい、日本にまでは名前も知られるはずのない名品が数多く存在しているというわけである。

その村のチーズ生産者は当然農家である。この農家(フェルミエ)製のチーズは工場製チーズと違い、季節や天候の影響を受けるから同じ村の同じチーズでも一年365日、それぞれに風味が異なる、とても味わいのデリケートなものだ。

それだけに農家製のチーズは高度な品質管理が求められる。

チーズは出来立てはフレッシュでそれはそれで美味しいのだが、熟成チーズの美味さは格別である。

いわゆるデパ地下にあるチーズ売り場のチーズとはレベルが違う。

 この店、「フロマージュ・ドゥ・ミテス」、オーナー、金剛丸由美さんは、かつてチーズのすべてを知りたくて単身フランスに渡り、あろうことか、チーズ生産者の農家に住み込んで家畜の世話からすべてを勉強したという本格派だ。

チーズへのたぎる情熱を寄せる金剛丸さんはチーズショップでの販売はもちろんのこと、京都のチーズファンのためにチーズセミナーやチーズ&ワイン会といった啓蒙活動も積極的に行っている。

それらは、たとえば京都・黒谷の「永運院」といった京都ならではのユニークな場所が会場だったりして、参加者は本当に楽しいひと時をチーズもさることながら味わえるだろう。

チーズを、しかも最高に美味なチーズを味わいたいファンは、この「ミテス」を訪れるために京都へ行く価値は十二分にある。

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